( アインシュタイン67歳の時の文章)
P12.・思考とは概念を自由自在に組み合わせ、
決まった絵柄に織りあげる営みです。
(CF.P12.脈絡のない連想は脳みその運動に過ぎません)
・(実験結果なども含む)感覚体験を正しく解釈
する際には概念を使う遊びが強い助っ人になる
のですよ。(⇒真理の真偽は集団内の合意(伝統)
などに従い考察の対象となります)
・P14.人間の思考は、相当高いレベルまで、しかも
ほぼ無意識のうちに記号(言語)なしで進むと
私は確信しています。
P16.自明ではない部分だけ証明すればよい
P17.イマヌエル・カント(1724-1804)が
「純粋理性批判」に述べた「アプリオリ(先験的)な総合判断」
に通じるものがあるのかもしれません。
(同署は12歳の時に読んだ)
P29.(マッハ)1883年の本「力学史」は若いころの私の心を
大いに揺さぶりました。科学の理解がもともと⇒認めなかった
P31.前提の質をじっくり吟味
理論の質をざっくり言えば「外的な実証性と内的な完全性」
P31.(ニュートンの)その発想から出発すると矛盾のない場
(電磁場)は作りようがないのです。
P38.ヘルツも最晩年の書き物で力学の世界からポテンシャルの概念を
追い払おうとしています。という訳で、ニュートン先生、貴方の先を
行かせてください。貴方は当時最高の思考力と創作力を持つ人として
見事な道を拓いてくれました。そのお仕事は今もなお物理学的な
思考の指針であり続けています。⇒応用面が豊かなほど(理論は)
迫力が強いものです。だからこそ若い時分はいわゆる古典熱力学
のとりこになりました。熱力学は内容に普遍性があるただ一つの
物理理論だと言えましょう。よりどころとする基礎概念として
熱力学は絶対に捨ててはいけないものだと確信しています。
P39.(マクスウェルウェルは光学を電磁気理論に取り入れた)
(高速Cを真空の誘電率と透磁率だけでビシッと表現し
屈折率と誘電率を関係づけ物質の反射率と金属製の
関係を明るみに出して光学と・・・・・)
営みは、もう天性のひらめきとしか言いようがありません。
P40.・ファラデーとマクスウェル対ガリレオとニュートン
一人目が直感、二人目が数式化。
・ヘンドリック・ローレンツが登場し、
①電磁場は真空上に存在できる
②粒子から出来た物質は、電荷がただ宿る場所に過ぎない
と明言。
P53.(光電効果の発表後に)
光電効果と比熱の戦果に意を強くし
物理理論の全体をエネルギー量子仮説で解釈
し直そうと足掻きましたが思うようにはいきません。
何やら足元の地面がフッと消え失せ、固い地盤がどこにも見えず
何かを建てるなど思いもよらない…といった気分でしたね。
ところが、比類ない比類のない直感を備えた才気あるれる
(デンマークの)ニールス・ボーァ(1885-1962)は
ぐらつく足元などに目もくれず、水素原子が出す線スペクトル
の起源と原子核の素顔を暴いたばかりか、そういう
知見で化学がどれほど深い意味を持つかも、たちまち
の内に明るみに出したのです。(1922年のノーベル総受賞)
当時の私にはボーアの仕事は奇跡に見えたし、
今なお奇跡そのものだったと思っています。
思考の世界に現出した最高度の音楽性とでもいえましょうか。
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