P174.(ド・ブロイの引用を最後にハイゼンベルグが語ります。漢数字を算数時に直します)
われわれの付録の目的はもっとも著名な自然科学の代表者の
著作からのいささか不十分足らざるを得ないような抜粋を
通じて近代自然科学の歴史的立場を少なくとも暗示的に記述する事
であった。我々は要約して次のことを強調したい。
①近代自然科学はその発端において意識的な謙虚さを特徴とする。
それは厳重に制限された関連に対して、ただその枠内で適用する記述をする。
②19世紀において、この謙虚さは失われていく。物理学の知識は
全体としての自然に対する陳述と考えられる。物理学は哲学でありたい
と欲し、そして再三再四、それぞれの真の哲学は自然科学ではなければならない
と要求された。
③今日、物理学は変化している。その元来の謙虚さへの復帰が、その変化の
目立った特徴であるように見える。
④科学の哲学的価値は、科学がその限界を知るようになる時のみ認められる。
そして真実の哲学的見解へ移行する知識に到達する。
p180.人文主義と文芸復興の時代(15及び16世紀)と共に
我々にとって極めて重要な自然観が起こる。自然への通路は何より
実験によって探し求められる。
①ダヴィンチ(1452ー1519)…(略)…広範な遺稿の選集.M.ヘルファルト
「レオナルド・ダヴィンチ・思想家・探究者および詩人」
(イェナー・1910)実験は前もって計画された理論、これが実験によって
確認されるか或いは否定されるかを吟味するために自然を調べる事である。
②レオナルドの実験概念はベーコン(1561-1625)
(学問の発達と進捗に関する2書。1602.)の新しい基本的立場
にも一致している。
③実験概念はガリレオガリレイ(1564-1642)によって拡張される
(主著・UnnciusSiderenus.1610.)そして我々は彼およびケプラー
(1571-1600)により宇宙概念の復帰に巡り合う。
④ジョルダノ・ブルーノは自然および万有の新しい概念の擁護者であった。
…古い地球中心説と新しい太陽中心説を対置するばかりではなく
この種の世界があるだけではなく、無数の正解があることを
認めたことが問題である。
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