しっかりした内容で内容に満足しています。ハイゼンベルグの真面目な性格が伝わってくるような誠実さが文面から感じられます。少年時代の友人との会話や、理論確立のために参考にした形跡も感じられます。お勧めです。
p2.(近代自然科学の起源)この科学はケプラー、
ガリレオ、ニュートンによって基礎づけられたが
初めの頃には未だ、自然の中に先ず第一に神に
よって創造されたものを認めるという自然観が通用していた。
p2.(ケプラーが美に対して)貴方のみ手による創造物に
喜びの声を上げます。
p3.(ニュートン)ときおり普通より美しい、滑らかな小石や貝殻を見つけ
喜んでいる子供のように思われる。前方には未知の心理の
大海が広がっているのに。I was like a boy playing on the sea-shore, and diverting myself now and then finding a smoother pebble or a prettier shell than ordinary, whilst the great ocean of truth lay all undiscovered before me.⇒dIRACへ
p9.ボーアが言ったように我々が劇場で観客であるばかりではなく、
何時も共演者であることに気付かなければならないであろう。
p15.「精神の制御の不安定」ということは、我々の現在の危機の
中にある人間の状態を与えうる。おそらく最も適切な表現の
一つであるからである。
P32.ギブスとボルツマンの発見以来、物理系についての不十分な知識が
物理法則の公式化に組み込まれていたにもかかわらず、量子論の
きっかけとなったプランクの有名な発見までなお、原理的には
決定論が維持されていた。
P33.(アインシュタイン・ボーア・ゾンマーフェルト以降)ラザフォード・ボーアの
原子模型のおかげで化学的現象が説明されるようになった。この時以来、
化学・物理学・及び天体力学は融合した。
P46.(ハイゼンベルグの大学での話・本の出版は1955年)
30年前に当時ミュンヘン革命の戦争が起こり都心は共産党に占拠され
17歳の若者であった私は学友と一緒にある隊に補助員として配属された。
P49.数学と直感との遊びを少なくとも他の大抵の遊びと同程度に興味ある
ものに感じた。
P59.(西洋について)我々の地域が二千年を通じて生きてきた力の源泉に
到達せんことを望みたい。混乱と戦いの一つ一つが起ころうと
我々の不安を気にかけるな。
P80.(ケプラーが経験を軽んじた⇒ガリレオ)近代自然科学的思考の原理が驚くべき明快さと簡潔さをもって表明される。すなわち仮説と経験の相互作用を確立する原理である。
P91.(ザクレド曰く)天体の実質は作り出すことが出来ず、
破壊する事も出来ず、不変であり、無感覚であり
簡単に言えば、位置の変化を除外すればいかなる変遷からも
遠ざかっている。
p92.神経は心臓から発する(アリストテレス派との対比)
p110.(ニュートン)彼は人格神に対する信仰を固辞している。
自然の機構はただ神の目的遂行の手段に過ぎない。
p112.第四法則。実験物理学においては現実から帰納によって
決定された法則は…までは正確あるいは近似的である
としなければならない。この規則は帰納法が仮説によって
廃止されない為に行われなければならない。(j・ヴォルファス
「アイザック・ニュートンの自然哲学の数学的原理」
p113.私は工夫はしない。つまり現実方生じないものは全て仮説
であり、それが形而上的であれ、あるいは物理的であれ、
実験物理学で仮定されてはならない。
p121.(光の伝わり方に関して)石を投げ入れた時に水面に出来る
のが見られる波との類似よって「波」と名付ける。何故なら
それは発生の原因は違うが、ただ一平面内に作られるのに
関わらず全く同様に円形が次々と伝番するのを知覚させるからである。
(ホイヘンス「光に関する論文」(1690)
ダランベールを列伝に アカデミア・フランセズ(1635年)
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